2012.10.20-21 Sat,Sun イベント:創造のバイオトイレづくり3(3、4日目)
「創造のバイオトイレづくり」ワークショップの3、4日目です。この2日間は晴天に恵まれました。
ワークショップ3日目です。
前回の物品調達で、介護用シャワーベンチの不用品を利用することにしました。これに便座を取り付けて、大と小を分ける仕組みを作ります。
再度確認をしていく中で、ペール缶を使って攪拌部分も作ってみようということになりました。大体の設置スペースを振り分けて、大チームと小チームに分かれて作業をしました。
大チームは里山の会の方の作業場へ行き、金属加工の道具調達へ。
小チームはホームセンターへ行き、尿の受け部に使えそうな物品を探しに。
小チームのほうは、なかなかいいものが見つかりませんでした。できるだけ尿が溜まらないような仕組みを考えたときに、便器の形というのは非常にうまく設計されていることに気づきました。また、洋式便座の形も様々な体型で使え、足がうまく収まるようにできていることに気づきました。今回は100点を目指さず、ある物で作ってみようとなり、緊急用水タンクを利用することにしました。
あっと言う間にお昼になり、いつものように竹でご飯を炊きます。学生参加者の希望で、今回はバーベキューです。
前回同様、食器は竹を使って手作りします。
ペール缶のかまどで味噌汁とバーベキューを作ります。
ドラム缶の焼き台でもバーベキュー。米も炊きます。
スペアリブが焼けるジューといういい音と、食欲を刺激するいい匂いが里山に漂います。
天気のいい日、バーベキューは王道ですね。自分の竹皿に盛り付けすると、またおいしく感じます。
さて、午後の作業。
小チームはスチールのバケツをくりぬき、
切り開いた水タンクの先に排水ホースを取り付け、
水タンクをバケツに固定します。
水を流してみたところ、まずまずうまく流れています。通常の小便器と同じように、使用後は水をかけて洗浄したほうが良さそうです。
これで尿受け部分は完成です。
さて、代わって大チーム。ペール缶に穴を開けたようですが、なにやら金属の板をディスクグラインダー削り、
軸になる部分に溶接して補強するようです。
日も暮れはじめ、今日の作業はここまで。
夜は人も増え、かっぽ酒に、近隣で採れた差し入れの「バカマツタケ」が振る舞われました。
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ワークショップ4日目も、暑いくらいの良く晴れた日になりました。
いよいよ最終日。ゴールを決めずに進めてきましたが、どこまで出来上がるでしょうか。
大チーム、小チームの共有部、便座を固定する金属をつくることにしました。
便座の型に合わせて、金属の棒を曲げていきます。根元のほうを溶接して便座を支えます。
そして、バケツを支える台を作るため、丸太に排水ホースの溝を削っていきます。チェーンソーを使えばすぐにできてしまう作業ですが、あえて手ノコとノミの手作業で彫っていきます。手作業でどれだけ大変かを知っていれば、電気やエンジンのありがたさもわかります。地味な作業ですが、はじめてノミを使った参加者はコツコツと彫り進めていきました。
一方、大チームは攪拌するためのスクリューの羽根を軸棒に取り付けていきます。
放置自転車の車輪のスポークを切り取り、それを羽根にしようと試みました。
ところが、溶接してみたところ、スポークでは細すぎて折れてしまい、うまく溶接できませんでした。
スポークの代わりに、寸切ボルトを使うことにしました。寸切ボルトを切って、曲げて、溶接。
このくらいの太さなら溶接で折れることはありませんでした。
角度を変えてさらに羽根を取り付けてみると、なんだかうまくかき混ぜることができそうです。
ペール缶にスクリューを取り付け、受け口を空けます。
では、回してみます。
うまく回っていますね。
では、籾殻燻炭を入れて回してみます。
うん、うまく混ざっているようです。
これで大チーム、小チームの単体テストが完了です。あとは部品を結合していくのみ。
ここでお昼休み。4日目ともなると、みなさん手馴れたものです。毎度のように竹でご飯とお味噌汁。
この日はまるで夏のように日差しが強いので、屋根のある板の間で涼みながら昼食です。
できたてのゴハンにビールがおいしい。
ゆっくり昼休みを終えて、午後の作業です。
それぞれのユニットを設置し、結合していきます。最終日の大詰めで、どこまでできるでしょうか。
小チームの丸太の溝が深く彫れました。これで丸太がバケツを支え、溝に排水ホースが収まります。
さあここからラストスパートで結合作業を進めます。
どんどん作業が進み、なんとか完成に漕ぎ着きました。
どーん!あれ?
はい。丸太は使いませんでした。便座を支える金属を作ったので、尿受けはそこに吊るせばいいだろう、ということになりました。
たしかにそんなに溜まらずに流れれば、負荷もかからず支えなしでもいけるでしょう。そうなると、完全に移動式となります。
モバイルバイオトイレという、見た目も名前も里山のイメージとはかけ離れた感じになっちゃいましたが、第一号の試作品としては十分でしょう。
これを素敵な装飾で設置するも良し、また新たに作るも良し。
機能的にはまだ実証できていないので、これから使いながら改良して、機能も見た目も磨いていけば良いのです。
功労者に座ってもらい記念撮影。
バイオトイレの便座ながら肘掛けも付いて、まるで皇室のお方のような気品が漂っていますね。
最後は最終日の参加者全員で記念撮影。若干、シュールな感じもしますが。
9月の伊沢さんの講演会からはじまった「創造のバイオトイレづくり」もこれでひとまず終了です。
里山の自然の中で、ゼロからのモノづくりを体験できました。
多くの方にお越しいただいて、みなさんのおかげで無事にここまで辿り着きました。
厚く御礼申し上げます。
一旦ここで区切りをつけますが、里山のバイオトイレはこれからも進化していくことでしょう。
うわー、面白い。良い試作品ができましたね。
ありがとうございます。来月は忘年会の予定がありますので、実物を見ていってください。