2012.8.4 Sat 臨時作業日:茶室の解体
通常の作業日ではありませんが、不要になった茶室を譲り受けるため、解体して運びました。
7月に入ってからすでに解体は始まっており、前日までには土壁と竹小舞は剥がし終わっていたようです。
そうなんです。この茶室は日本の伝統工法を取り入れて作られているため、そのまま廃棄してしまうのは勿体無い。ということで、里山の会で譲り受けることになったようです。といってもそれほど古いものではなく、25年前に建てたそうです。土壁の土は再利用が可能なため、土嚢袋に入れて一時保管。竹小舞もしっかりしていたようですが、これは再利用せずに廃棄。それからアスファルトルーフィングのようなものと基礎のコンクリートも廃棄。それ以外は金具を取り除き、会で保管します。
この日は夏休みということもあってか、早朝から千葉市付近での交通渋滞がひどく、私は少し遅れて合流しました。着いたときにはこんな状態になっていて、作業は着々と進んでいたようでした。
木ネジは使われておらず、解体時に取り除くのは主に、金属の釘とつがい、木製のクサビだったので、使った道具は主に、バールと金槌、そして掛矢。
基礎から出たアンカーボルトと土台を固定させるナットを外すため、モンキレンチ。あとはハシゴ・三脚。
使った道具はこのくらいでした。重機も電動工具も一切使わず、手作業での解体でした。
手慣れた人が多く、人手もたくさんいて、僕はサポートをしながら、作業をよく見ることができました。解体にも段取りがあります。バールなど、ひとつひとつの使い方も、僕はよく知らなかったということに気づきました。
午後の早い時間には、基礎をだけを残し、解体が完了しました。
再度組み立てをするときのために、解体した部材にはどこの部品だったか書き込みを入れていました。
部材は軽トラ3台に積んで、会で保管しました。
基礎の撤去は業者さんに依頼するそうです。コンクリートって普通には再利用できないんですね。燃料にすらならない。処分にお金もかかります。
漆喰や珪藻土も再利用は難しそうです。そう考えると、土というのはすばらしい。
こんなに手の込んだ造りの茶室でさえ、たった25年でゴミになるところだったのですから、建物から見たこれからの日本社会も流動的になることは避けられないのでしょう。人類の歴史だけを考えても、25年はとても短い期間です。
これからも建て替えを繰り返すのであれば、建材選びには再使用や燃料として、あるいはすぐに土に戻せる素材を選んでいかないと、一方通行の循環しない社会を作り出してしまいそうです。解体作業を通じて、建物にどんな素材を使うべきか、下流や未来のことも少しは意識する視点を得られたような気がします。
いい見事な内容で、たいしたものだ。